「笑うマトリョーシカ」は、後半の失速と結末が思った通り過ぎて勿体ないドラマでした
                                      2024年7月~9月期

 主義・主体を持たない勢いのある若手政治家を誰が操っているのか?
 渡辺いっけいさんが演じる道上兼高の衝撃的な事故死、殺人?から始まるスタートは充分に期待させてくれる展開でした

 それも兼高の娘、道上香苗を演じた水川あさみさんの自然体で喜怒哀楽を表わす演技力に導かれるように、櫻井翔さんが演じた清家一郎を操る黒幕に迫っていくストーリー展開は充分にワクワクさせてくれました

 しかしこの人が黒幕か?の繰り返しに少し展開が停滞したように感じてしまい、ここまで「黒幕は誰だ?こいつか!?」を繰り返されて、もしかして居ないんじゃないの?と訝しがっていたらまんまとそうでした…

 さらに次々と登場人物が増えていって過去と未来を行き来する展開に俳優さんも変わっていきますし、ちょっと混乱してしまいました…

 また櫻井さんの演技に賛否あるようですが、やはり勢いのあるキレのある、やり手政治家には見えませんし、その奥の深い厚みのある最後の切り札的な人物を演じる演技力とは思えませんでした…
 そこに重厚なしっかりとしたドラマに妙な軽さ、浅はかさをもたらしてしまったようにも感じました…

 それでも清家浩子を演じた高岡早紀さんの不気味さと存在感は圧巻でしたし、鈴木俊哉を演じた玉山鉄二さんの絶妙な役柄との距離感の掴み方、山中尊志を演じた丸山智己さんのさりげない存在感はしっかりとドラマの輪郭を創り上げていました

「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています

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むろ さん
プロフィール

「ダンス」と「s**t kingz」と「iri」と「連ドラ」好きの「言葉の力」を信じる踊る博士(Dancing Phd.)のブログ集です

主に「連ドラ鑑賞文」を1クール(3ヶ月)毎に書いていきます
その他にも長文でTwitterに書ききれないことも書いていきます