「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」は、表現の方法と音量が絶妙なドラマでした
2024年1月~3月期
「昭和の常識」と「令和の常識」との対比とタイアップ感が改めていわゆる「常識」という枠を考えさせてくれました
ただ、ドラマ内で使われるアップデートという言葉に少し違和感を感じていました
令和の常識を理解し、受け入れることが「アップ」なのでしょうか?
「アップとかダウン」とかではなく、「チェンジ・変換」または「調和・調整」なのではないかと思います
アップかダウンかはひと纏めに出来ないと思いますし、もう少し時間が経たないと分からないような気がします
それは置いておくとしても、原田泰造さんが演じた沖田誠が令和の時代にマッチしていく様を、絶妙なスピードで描いてくれたことで観手としても心地よく一緒にドラマを受け入れられました
やはり原田泰造さんの演技というか雰囲気、身体から溢れる世界観が沖田誠に、そしてこのドラマそのものを表わせていました
沖田誠とは別に、渡辺哲さんが演じた古池正則の不器用な変換が実は誠よりももっと現実的なのかもしれないと、ちょっと楽しみにしていました
そしてその誠を一番理解して決して強く攻めるわけでもない富田靖子さんが演じた沖田美香が絶妙なクッションとなってドラマに安定感をもたらしていました
さらに沖田萌を演じた大原梓さんは、城桧吏さんが演じた沖田翔ほど誠との距離をとっていないけど、昭和の父親との距離をとりたいけど…弟が距離をとっているからそこまでは突き放せない感じの娘を上手く演じられていました
作品として多様性、LGBTQs、推し活と誠の周囲を令和が押し寄せてきますが、その描写がしっかりと絶妙に描かれていたので観手にとっては心地よかったんだと思います
「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
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