「オクラ」は、壮大な突飛な設定が枠からこぼれて醒めてしまった感覚のドラマでした
2024年10月～12月期
序盤のオクラ（特命捜査情報管理室）メンバーにまつわる未解決事件を新たにオクラが解決していくことは、身近な現実味のあるストーリーに興味深く観ていけました
その解決策が捏造した証拠というのにはかなり抵抗はありましたが、それは「許せないこと」のギリギリ手前と判断して「あり得ないこと」としました
飛鷹千寿を演じた反町隆史さんはもう少しエッジを効かせて、個性やアクを出しても良いかなと思いましたが、真骨頂の役柄で嵌まっていましたし、なにより不破利己を演じた杉野遥亮さんは朴訥な役柄が多かったですが、今回、クールな不破と成長していく不破を淡々としっかりと演じられていて魅力的でした
後半に公安部の特殊部隊「ハイドアンドシーク」が関わってきた頃からむしろドラマの速度が遅くなった感じになりました
観手としてはその壮大な設定が興味の枠を超えてしまい、面白さや疾走感、魅力がこぼれ落ちてしまった感覚でした…
警察や公安の間違った正義はありがちな設定ですが、時効の撤廃のために未解決にした、テロの脅威を示すために警察サイドが爆弾事件を起こす…
逆にちょっと醒めて、冷めてしまいました
最終話の含みを持たせた終わり方も個人的にはあまり好きではなく、観手に委ねずにしっかりと創り手の作品として最後まで届けて欲しかったです
それでも鷲沢泰造を演じた宇梶剛さん、幾多学を演じた橋本じゅんさん、吉岡雷を演じた前田旺志郎さん、結城倫子を演じた白石麻衣さんと周りを固めるオクラメンバーがしっかりと面白いスパイスとなってドラマの輪郭を鮮明にすることで、どの場面も飽きることなく観ることができました
そのオクラメンバーの中にいて、反町隆史さんと杉野遥亮さんの二人立ちが際立ち絵的にもクールなドラマでした
「観手」：ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
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