「いつか、ヒーロー」は、散らかって分かりにくい作品に入り込めませんでした
                                      2025年4月~6月期

 第一話目の境遇の厳しい中でもほのぼのとした始まりからの大きな展開は興味をそそる導入でしたが…

 20年の昏睡からの覚醒、施設の生徒たちの挫折と闇が散らかり始めてからは、20年前とのリンクも観手としては混乱してきて、序盤からちょっと入り込めなくなっていました

 施設の教え子たちの誰も良い人生を送っていない、しかもそれは施設育ちだからを理由にした甘えにも見えてきてしまい、感情移入ができなかったこともあります

 それでも赤山誠司を演じた桐谷健太さんはこのドラマのテーマに、主人公のコンセプトに、まさに嵌り役だったと思います
 桐谷健太さんだったからこそ、この20年昏睡からの覚醒で大活躍する熱い主人公を観手は観ていられたと思います

 若王子公威を演じた北村夕起哉さんも、微塵も良い人を表に出さない感じの振り切った演技には魅力を感じましたが、若王子自体に魅力があまりありませんでした…

 作品としての着眼点や展開、筋道などは面白い要素、材料、素材がたくさんあるように感じましたが、挫折、闇、洗脳、整形、殺人(未遂)と調味料を使いすぎて元々の味が台無しになった感覚の作品でした

 結局、このドラマにヒーローが見当たりませんでした…

「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています

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むろ さん
プロフィール

「ダンス」と「s**t kingz」と「iri」と「連ドラ」好きの「言葉の力」を信じる踊る博士(Dancing Phd.)のブログ集です

主に「連ドラ鑑賞文」を1クール(3ヶ月)毎に書いていきます
その他にも長文でTwitterに書ききれないことも書いていきます