「秘密 ~THE TOP SECRET~」は、いろんなところがもの足りないバラバラなドラマでした
                                      2025年1月~3月期

 原作が2Dである漫画を3Dのドラマに仕上げることがどれだけ難しいのかを改めて思い知らされました
 2Dで描かれた漫画の主人公の「小柄で童顔」「女性のよう美貌」の持ち主だけど「優秀な捜査能力」を有している「敏腕の指揮官」という設定を、3Dとして仕上げるのは本当に難しいことなんだと思い知らされました

 薪剛を演じた板垣李光人さんはこの「マンガ的」なキャラクターを持て余して、こなしきれてはいませんでした
 さらに鈴木克洋・青木一行を演じた中島裕翔さんもこの深い役柄を演じ切れてはいませんでした

 この主軸となる二人の演技が観手をドラマに素直に入らせてはくれませんでした

 三好雪子を演じた門脇麦さんも、もっともっと魅力的な俳優さんだと思うのですが、全く活かされていませんでした

 さらに岡部靖文を演じた高橋努さんももっと味のある演技をされる俳優さんだと思っていましたが、演出か作品の影響からか、存在感はあるものの今ひとつ活かされていなかったように感じました

 法医第九研究室、通称“第九”の部屋も、そこに置かれているパソコン機器などの安っぽさが目立ち、興醒めするものでした

 さらにストーリーの主軸となる「生前の記憶を映像化する「MRI捜査」」ですが、なぜ「MRI」と名付けたのでしょうか??
「MRI」はすでに検査機器として存在しています
 磁力を使った装置なので「M」がつくことは仕方ないとしても、同じ名称にしたことがさらに現実味を無くしていました

 ただ中盤での淡路真人を演じた伊武雅刀さんと千堂外務大臣を演じた生瀬勝久さんの登場はさすがの演技力と存在感で、このドラマの最も大きな見所で、中盤にして重厚なドラマに一瞬塗り直してくれました

 しかし最終章に近づいて、結局は新興宗教がらみのなんだか絵空事のようなことが確信の真実で、個人でSATを動かすとか、あのいかにも殺し屋っぽい殺し屋はなんだったんでしょうか?
 最後に真島秀和さんが演じた瀧本幹生を撃った後に充分に薪を撃つ時間があったのに撃たれるのを待ってましたか?

 中途半端なBL要素も含めて作品の中のエピソードや設定の一つ一つのピースがバラバラで嵌まらず、稚拙で大袈裟に見える演技と合わさって、久し振りに魅力を全く感じないドラマでした

「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています

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むろ さん
プロフィール

「ダンス」と「s**t kingz」と「iri」と「連ドラ」好きの「言葉の力」を信じる踊る博士(Dancing Phd.)のブログ集です

主に「連ドラ鑑賞文」を1クール(3ヶ月)毎に書いていきます
その他にも長文でTwitterに書ききれないことも書いていきます