「Destiny（ディスティニー）」は、綺麗過ぎる着地で、キレ味に欠けた感じでした…
2024年4月～6月期
最終回で全ての事件が一点に着地して終わる綺麗なストーリーでしたが、綺麗な着地の割に観手としてはスッキリしない感覚が残りました
それでも西村奏を演じた石原さとみさんの「毅然とした奏」と「可愛い奏」のどちらも説得力をもって魅せる演技はやはり凄い俳優さんです
そして実はこのドラマの数少ないキレ味を出していたのは大畑節子を演じた高畑淳子さんです
いつ奏を裏切るんだろうと疑心暗鬼になって見ていましたが、最後まで奏を見守るカッコ良くも優しい最強の味方でした
ただ…奏の父親の死、汚職事件、同じ大学の仲の良い五人組、それぞれの人生、亀梨和也さんが演じた野木真樹の失踪・沈黙、田中みな実さんが演じた及川カオリの死など事件やイベントは盛りだくさんなのですが、それぞれのエピソードに今ひとつ厚みと深み、広がりを観手として感じることができず、一緒に盛り上がることが出来ませんでした
それとカオリの死は結局嫉妬による暴走？ってことですか？その割に最終回に美化されたカオリの回想シーンが入りましたが、そこまでワザワザ最終回に美化する必要があったでしょうか？
そしてドラマの最もキーになることの一つが野木真樹の影を持った魅力です ただ全話を通して観てもそこまでの魅力を感じませんでした
野木真樹を演じた亀梨和也さんの演技を「影を持つための抑えた演技」や「深みのある無表情」と言うより、棒読み、ただの無表情に捉えてしまい、真樹の魅力には繋がっていませんでした
どう考えても真樹よりも安藤政信さんが演じた奥田貴志の方が魅力的でした
スッキリと綺麗に観ることのできるドラマでしたが、ミステリーである以上もう少し引っ掛かる部分、観手が立ち止まるような展開を期待してしまいました
「観手」：ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
No responses yet