「あなたを奪ったその日から」は、ちゃんと意外な展開には吉備を感じましたが、苦しいドラマでした…
2025年4月~6月期
アレルギーもですが、交通事故など人災によって子供の命が奪われる設定はありきたりかもしれません
しかしそこに被害者:北川景子さんが演じた中越紘海が大森南朋さんが演じた結城旭:責任者(犯人)の子供を誘拐する(実際には誘拐とは少し違う感覚の導入でしたが…)展開になります
先ずはどうその誘拐という形の復讐を観手に受け入れさせるかが、乗り越えなければいけない大きな壁だったように思いました
それを幼い子供の意思、勘違いを発端に結果的に誘拐という形に持って行ったのが、先ずはこの作品が大きな高いハードルを越えた瞬間だったと思います
さらにその後はその状況になったはいいけど、どう展開させるのか、どう観手を納得、共感させ続けるのかが難しくなったことには間違いありません
間違いなく結城も紘海も犯罪を犯しています…
時間軸を比較的大きく飛ばしたのもこの作品の大切なところだったかもしれません
やはりキーとなるのは、一色香澄さんが演じた中越美海・結城萌子の成長と自立できるようでできない思春期の女の子が、この作品の棘やエッジ、闇を緩和してくれたのかもしれません
北川景子さんが美海との幸せの絶頂の紘海と美海が萌子に戻ったあとのすさんだ紘海を掛け値なしで迫力をもって演じられていました
そして大森南朋さんも結城の少し理不尽なセリフ、言動もありましたが、基本的に静かに誠実だからジレンマに埋没する結城を頼もしく演じられていました
一色香澄さんも最終回の吉備を表わした演技は綺麗でした
そして東砂羽を演じた仁村紗和さんはやはり魅力的な俳優さんです
もっともっと本編に組み入って欲しかったです
そして最終回の着地点も一つ間違うと賛否両論が巻き起こりそうな結末ですが、これだけ様々な感情と実情が交わり、絡んだ作品だっただけに、この着地もありかもしれないと納得させられる良い場所だったように思ってしまいました
「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
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