「PJ ~航空救難団~」は、潔い気持ちのいい良作でした
2025年4月~6月期
昨今、パワハラやモラハラなどハラスメントや虐めの話題が全盛期の時代ですが、このドラマの多くはそこだけを切り取ったらパワハラや虐めと称することになります
でも観手は1㎜も全くそうは思わない、そう思わせない、そこを話題にすらさせないということが根底にあります
それは主任教官・空曹長の宇佐美誠司を演じた内野聖陽さんの演じる力を存在感と愛情感だと思います
「救う」という揺るぎない信念と、人が人を「救う」ことがどれだけ重いことで、さらにそれが「救いに行く人」をも「救う」ためには愛情に裏付けされた厳しさが必要不可欠だということです
それは学生たちが宇佐美とぶつかり合うことはあっても、そこを信じて疑わない部分に芯が通っているから作品が面白く感じるんだと思います
最後の砦をなる航空救難団は過酷な世界であり、候補生が男性ばかりになるところを石井杏奈さんが演じた藤木さやかを初の候補生として加えたのは、ドラマの設定としては華としてありだと思いますが、さすがに過酷な訓練の中では無理があったように感じていました
しかしちゃんと後々のリアリティとして途中離脱するということがこの任務の過酷さを際立たせてくれて、この演出は秀逸だと感じました
そして本当に最後まで良いアクセントとして機能していたのが乃木勇菜を演じた吉川愛さんでした
徐々に父親の職業を理解し、尊敬し、その人と同じ道を進もうとしている候補生にも尊敬と共感と応援をしていく様としっかりと演じていました
それにしても濱田岳さんが演じた仁科蓮には亡くなって欲しくなかったですね…
「救う」を際立たせる演出だとは思いますが、やはり「救う」を掲げている以上、「死」は、まして「救難員の死」は描いて欲しくなかったです
「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
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