「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」は、しっかりとした骨格が見える実は骨太のドラマでした
2024年1月~3月期
才能溢れるマエストロとなると孤高で我が儘、風変わりな人物をイメージしがちですが、そこから先ずは外して始まります
夏目俊平を演じた西島秀俊さんが最後の最後まで少し気の弱い、人の良い天才マエストロ(「天才」のドラマは好きですが、「天才」という言葉を使うのは嫌いです…)を正にそのものとして演じきっていたのが、先ずはこのドラマのしっかりとした骨格でした
そしてこのドラマを骨太にしていった根底にはそれぞれ脇を固める配役のしっかりとしたバックグラウンドを魅せてくれたからです
全10話を通してしっかりと、もちろん芦田愛菜さんが演じた夏芽響、石田ゆり子さんが演じた夏目志帆の葛藤や1話だけでしたが柄本明さんが演じた夏目行彦、その他晴見フィルのメンバー一人一人にも思い入れが出来るようにバックグラウンドを絶妙なスピードで伝えてくれたからだと思います
それにしても小村二朗を演じた西田敏行さんは存在感抜群でしたね!
主人公である夏芽俊平と響とのドラマだけでなく、脇を固める出演者にもドラマが見えるため、厚みのある味のあるドラマになったんだと思います
ただ…登場人物一人一人に思い入れができるように創られていただけに、結末の分からないエピソードが残ったのが少し残念でした
晴見フィルの存続、仙台のオケフェスは?、響と宮沢氷魚さんが演じた森大輝はどうなった?とかなんか回収仕切れてない感じがしてスッキリしませんでした
それでも本筋としてはタイトル回収のエンディングも含めてしっかりとした骨太で綺麗なドラマでした
「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
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