「9ボーダー」は、秀逸にバランスの取れた作品に仕上がっていました
                                      2024年4月~6月期

 ちゃんと違う年代の9ボーダーにも刺さる、届く作品でした!!

 もちろん川口春奈さんが演じた大庭七苗を中心に描かれていくのですが、その周囲を固める登場人物達の際立ち度合いを絶妙に変化させながら七苗に絡ませていて、絶妙なバランスを創っていました

 通常は主人公である七苗が中心にいて周りに登場人物が描かれていくような相関図になりますが、このドラマでは全ての登場人物が中心になった輪を作る、または点在しているようなイメージで描かれていたように感じました

 やっぱり七苗を演じた川口春奈さんは喜怒哀楽の全てを可愛く素直に真っ直ぐ観手に伝えられる希有な俳優さんです

 そしてなんと言っても素晴らしい際立ちで七苗に絡んでいたのは松下洸平さんが演じたコウタロウ(芝田悠斗)です
 カッコ・愛くるしい・クールな・いい人を演じたら松下洸平さんは秀逸ですね

 第5話だったでしょうか、アミューズメントパークに行ったときに木戸大聖さんが演じた高木陽太がアーケードバスケットボールに興じていて、次々にゴールを決めたのに全員がガン無視しているなか、コウタロウだけが陽太に声を掛けて褒めている場面がありました
 陽太が思わず「いい人~」というこの会話、コウタロウの全てを表わしている、このドラマのコウタロウの存在位置を決定づける場面だったと思います
 このやり取り、場面好きです!

 記憶を取り戻したコウタロウが七苗との生活とは真逆に近い立場の芝田悠斗ととの間で揺れ動き、最後には観手の思う壺の場所に着地してくれたことが微笑ましく、まったり、ほっこりと楽しめました 

 その着地した場所もファンタジーというフィクション前提でのドラマの世界で少しだけ現実的な場所だったのも良い塩梅でした

「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています

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むろ さん
プロフィール

「ダンス」と「s**t kingz」と「iri」と「連ドラ」好きの「言葉の力」を信じる踊る博士(Dancing Phd.)のブログ集です

主に「連ドラ鑑賞文」を1クール(3ヶ月)毎に書いていきます
その他にも長文でTwitterに書ききれないことも書いていきます