「119エマージェンシーコール」は、「声」が主役の果敢なテレビドラマでした
2025年1月~3月期
もちろん医療系ドラマとして「あり得ないこと」はたくさんあります
緊急、救急の場で「絶対に大丈夫!」「絶対に助けます!」と発信することは「あり得ないこと」を超えて「許せないこと」に限りなく近いです
それが対象の患者さんの救命率を下げる可能性も含めてです…
それでもちゃんとエンタメの枠の中には入っていたと思っています
ドラマが始まった当初「火事ですか?救急ですか?」からその現場にカメラが移らないことに少し違和感を覚えていました
しかし一話また一話と進むにつれてそれが狙われた演出だと気が付きました
あくまでも通信指令センターの中で場面を変え角度を変えて、それでも「声」を主役にテレビドラマを成立させるという目論見がちゃんと成立していました
それは演出はもちろんですが、俳優さんたちの自然なちゃんとした演技の上にも成立しています
なんと言っても粕原雪を演じた清野菜名さんです
表情はもちろん映像に映りますが、その声質と声の出し方がドラマに説得力を与えていました
最初は雪が超人的な聴力を持っているということが、このドラマに吉と出るか凶と出るかと疑心暗鬼でした…
が、画像を主に置かないテレビドラマとして、映像と声と観手を繋ぐ重要なアイテムだったとは思います
ただそれにあまりに頼った展開は違う方向(超能力ドラマ)になってしまうことも懸念していましたが、声を大切にしていることを協調する一つのアイテムとして機能していて、良い使い方だったと思います
少しだけその聴力を持たない主人公ありきで、このドラマを見てみたかった気もしましたが…
そしてやっぱり堂島信一を演じた佐藤浩市さんはさすがでした
ドラマの序盤では通信指令センターで「声」を発することは少なかったですが、後半になって「声」を主に進む作品にしっかりと「声」で演じていました
兼下睦夫を演じた瀬戸康史さんも雪との良い距離感を絶妙に演じられていましたし、実は良いドラマのスパイスになっていたのは箕輪健介を演じた前原滉さんです
ドラマの中で絶妙なテンポと距離と高さを演じて、作品のオアシスでありスパイスでした
全話を通じてのストーリーも、最終話に向けてのスピーディーな展開も「映像としてのテレビ」において「声」を主役に押し上げたドラマとして、ちゃんと盛り上がりを魅せてエンタメ型ドラマとして成立させていました
「声」を主役した果敢なテレビドラマとしてしっかりとした良作だったと思います
「観手」:ドラマを創る・作成する人の「創り手」という言葉に対して、それを観る・鑑賞する人を差す言葉として使っています
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